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日本三大霊場のひとつ恐山を訪ねて

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私が小学生だった頃、スペシャル番組で『青森県にある日本三大霊場のひとつ恐山』のことをやっていました。

地獄の名所が付けられ恐ろしさがあり、イタコと言われる霊能者が死者との交信をしてくれ死者の言葉を聞く事がきるといった番組構成になっていたと思います。

子供ながら、映像はミステリアスに映り結構くいいるように観ていたことをなにげに覚えています。

それから、月日が流れ、数年にわたり『恐山』を扱う番組もやることもなくなってしまったのはどうしてなのでしょうか。

数年前に青森県に旅行に行くことが決まり、ぜひ『恐山』に訪れたいとコースに組み込みました。

 

=恐山の魅力=

1.無を感じる恐山の霊場

恐山の霊場に観光客が立ち寄るのは何を求めているのか。地元では『人は死んだら、お山に行く』と遠い昔から信じられ恐山に霊が集まると信じられているそうです。

恐山の霊場に立つと硫黄の臭いがお出迎え。硫黄の臭いがこの場所が火山地帯だと認識させてくれます。この広大な霊場を歩く前には必ずトイレを済ましておくことが懸命です。2箇所にしかありません。

そして、恐山の霊場の奥に入っていくと地獄めぐりコースがスタート。そこは、草木のない岩と砂だけの光景がつづくのは、やはりイメージの中にある地獄を思わせ、さらに10月も半ばに訪れたのもあり人もまばらにしかいません。

三途の川や血の池地獄、重罪地獄や無間地獄にサイの川原などが転々とあり何か違う空気を感じてしまい、さらに多くのお地蔵さまも何か訴えるものがありその中でも真っ黒な地蔵がなぜか違和感を感じさせます。

また、サイの川原では『ひとつ積んでは母のため、ふたつ積んでは父のため』という歌を歌い、石を積み上げをし、鬼に壊されてしまうというお話が残っていました。とてもこの歌は切ないです。

そんな中に極楽として宇曾利山湖があります。美しく神秘的な湖、その周りには極楽浜という浜があり風車が回り花が添えられています。

普段では見ることのできない『無』の光景や気持ちを感じることができます。

2.苦しみから助けてくれる仏、地蔵菩薩

恐山に足を踏み入れると数多くのお地蔵さまが転々と目につきます。

その表情は、悲しげにみえたり、はかなげにみえたり、微笑んでいるようにもみえ、みる人の心をうつしだすのでしょうか。

地元では地蔵信仰が強いらしく、お地蔵さまの『地』は国や大地という意味があり、『蔵』は生命が生まれるすなわち母胎という意味があるそうです。

余談ですが大漁、五穀豊穣、無病息災をお地蔵さまに願うために旧暦6月23日に津軽地方では『地蔵溝(じぞうこう)』という大祭が開かれお地蔵さまの化粧をなおしたり衣装を着せかえたりして地蔵信仰をするそうです。

この話を聞いてから恐山のお地蔵さまも衣装をまとい人々の気持ちをやさしく受け止めて癒しているように思いました。お地蔵さまの表情をよく見てください。

3.イタコの口寄せ

最近は、イタコと聞いてもわからない人も多いのではないでしょうか。

目の不自由な女性が厳しい修行に耐えしのぎ死者の言葉を口寄せ(死者の言葉を話す)する能力を身につけた巫女のことです。

恐山には昔からイタコが集まり生と死の世界をつなげていましたが最近では後継者もいなく少なくなり、大祭や秋詣りの時ならいるみたいですが、通常は不定期でいらっしゃるみたいです。

残念ながら、私が訪れた時はひとりも会うことができませんでしたが、3,000円という良心的な価格で1回の口寄せをしてくれるそうです。

4.火山地帯に秘湯ありけり

境内の参拝路の両側にある薬師の湯(男女入替)・花染め湯(混浴)・古滝の湯(女湯)・冷抜の湯(男湯)の4つの無料温泉(入山料はいります)があります。

現在ではあまりする人がいないようですが身を清めるために入浴してから参拝する習慣があったみたいです。

シンプルな小屋のような建物の中に温泉はあり、硫黄の臭いがあり、湯は40度以上の熱めで、滑らかな感じ、湯の色は白くにごった淡い青というか緑色で美しく神秘的な感じがしました。
泉質:硫化水素含有酸性緑ばん泉など(効能:神経痛・胃腸病・リウマチなど)

サイの川原にあるカラフルな風車がカラカラと回っては止まり回っては止まる光景が印象に残っています。
恐山を訪ねる時は面白半分では行っておしくないですが、そのような気持ちで行ったとしても帰りにはそんな気持ちを打ち消してしまう静寂さと無と神秘さがあります。


<プロフィール>

恐山菩提寺(むつ下北観光案内 http://www.mutsu-kanko.jp/guide/miru_01.html#osorezan

〒035-0021
青森県むつ市田名部字曽利山

電話番号 0175-22-3825(恐山寺務所)

開山期間 毎年5月1日~10月31日

開山時間 午前6時~午後6時(大祭典・秋詣り期間は別設)

入山料   大人:500円 小学~中学生:200円

交通機関 JR下北駅から下北交通バス恐山行きで約40分